仕事終わりの夕方くらいの時間になると、1日の疲れがドッと出てきてしまいます。足も重だるく、むくみが気になってくるかもしれません。むくみは、リンパ管に回収するはずの組織液が回収されずに残っている状態で、うまくリンパ管のポンプ機能が働いていないということになります。
むくみを解消するには、身体を動かして筋肉を伸縮させたり、リンパ管に外から圧力を加えたりしてリンパ液の流れをよくする必要があります。でも、なかなか仕事が終わって疲れた後に、身体を動かすのも大変です。
そんなときには、自宅でできる疲れやむくみの解消ケアとして、ゆっくりお風呂に入りましょう。その理由は、実は、お風呂に浸かるだけで軽いむくみは解消することができてしまうからなんです。
疲れやむくみは、お風呂に浸かるだけで解消できる?
お風呂は、起きている時間のなかでもっとも体がほぐれる時間です。湯船に身体を入れると、ホッとするとともに、身体がぽかぽか温まって血行もよくなり、気分もリラックスできますよね。
忙しくて、ついシャワーで済ませてしまうことが多い人も、疲れがとれない、むくみが気になるという場合は、シャワー浴ではなく、湯船に浸かるようにすると解消に役立ちます。お風呂には温熱作用があるため、末梢血管が広がり血液循環がよくなり、全身に溜まった老廃物がリンパに回収され排出されやすくなります。
また、温熱効果だけでなく、静水圧の作用も疲れやむくみ解消に役立っているようです。静水圧は、体表面積1㎠、水深1㎝につき1gであると定義されています。お風呂の深さが50㎝、体表面積1.4㎡(例えば体重45kg、身長155㎝)とすると、50㎝×14000㎠=合計700kgの水圧がかかることになります。つまり、お風呂に入るだけで、下半身の静脈やリンパ管が圧迫され、適度な水圧が疲れ解消やむくみ解消につながっているのです。
お風呂は何度が適切?
お風呂で大事なのが温度です。人によってそれぞれ好みの温度は違うと思いますが、疲れの解消やむくみに効果的な温度は覚えておくと役立ちます。
一番のおすすめは、湯温は体温プラス4度くらいの約41度のややぬるめです。もちろん、体温プラス4度は目安ですので、あくまでも自分自身で「気持ちいいなぁ」とゆったりつかることができる温度にすることが大切です。
約41度のお湯に3~5分浸かり、3~5分休憩を3~5回繰り返してみましょう。休憩の際、可能な方は、少しひんやりするほどの水を、右足左足に30秒ずつかけます。血液やリンパの圧力を交互に変えることで身体の循環がよくなるためむくみが解消しやすくなります。
なぜ、約41度がおすすめなのでしょうか。その理由は、42度以上は交感神経系が、40度以下は副交感神経が刺激されるからです。41度は神経系がちょうど切り替わる温度となっているので効果的なようです。
このくらいの温度でじっくり湯船につかって、じんわりと温まった体は冷えにくくなります。寒い冬のお風呂上がりでも、ぽかぽかが持続するのはいいですよね。逆に、熱すぎるお風呂は交感神経を優位にしてしまうので、体が休まることがなく、かえって疲れてしまうこともありますから気をつけましょう。
もちろん温度は個人差もありますので、39度から41度程度くらいの間で、「気持ちいいぃ」と感じるお湯にゆったりとつかってください。
お風呂の入り方は、湯船に何回か入る
ゆったりと湯船につかるのはいいことですが、あまり長時間湯船につかるのは逆効果を及ぼすこともあります。のぼせてしまうようでは交感神経になってしまって、かえって体に負担になります。
湯船に10分つかると、体温は約1度アップすると言われています。温度が上がると、免疫も新陳代謝も体内酵素のはたらきもグンと高まりますが、無理な長湯ではなく、気持ちがいい程度に湯船につかることを心がけてください。
こまめに水分や休憩をとりながら湯船に入るといいでしょう。顔を洗ってから湯船に入り、体を洗ってから湯船にはいり・・・という入り方をすれば、のぼせにくくなります。