いくら休んでもなかなか疲れがとれない、そんなときは呼吸が浅くなっていることが原因かもしれません。浅い呼吸の原因や浅い呼吸をしていることに気づいたときの対処方法を紹介したいと思います。
浅い呼吸の原因
ストレス
近年、浅い呼吸の人が増えているのは、ストレスが最も多くの原因とされています。ストレスがたまることは、脳幹の疲れが溜まってしまっている状態になります。脳幹は、人間の呼吸を調整している部分でもあるので、疲労が溜まってしまうと、正常な呼吸ができなくなってしまうのです。
よくイライラしていることを示すのに、肩で呼吸をしているような描写を見たことがあるかもしれません。あの状態が、呼吸が浅い状態といえます。特に近年は、夜遅くまでの仕事やデスクワークなどで、ストレスが溜まりやすいとされているため、若い人でも呼吸が浅い人が多いと言われています。
猫背の姿勢
背筋がピシッとした正しい姿勢をしていない人は、呼吸が浅くなりやすいと言われています。猫背だと他の人に指摘されたことのある人は、気をつけてください。
背中を丸めると肺が圧迫されます。そうすると、息を吐いた時に動く横隔膜が正常に動きにくくなります。そして、十分な処理をすることができなくなってしまい、浅い呼吸がクセになってしまいます。また、内臓にも大きな負担をかけてしまいやすく、便秘などの症状も起こりやすくなってしまいます。
年をとってくると自然と猫背になる人が多く、高齢者は浅い呼吸の人が多いとされています。猫背は、見た目もあまりよいとはいえません。猫背は、意識して改善するようにしましょう。
口呼吸
鼻からではなく口から空気を吸っている人は、呼吸が浅くなりがちです。イメージしてもらえると分かりやすいと思いますが、鼻から空気を吸う時は大げさに吸わなくても十分な量を吸うことができます。
しかし、口から十分な量を吸う時には、意識して吸わないと、十分な量を吸うことができません。そのため無意識に口で呼吸をしている人は、呼吸が浅い人が多いのです。
口呼吸は、口臭がきつくなったり、虫歯になりやすくなるといったデメリットが多くあります。口呼吸をしているという人は、改善するように意識しましょう。
呼吸が浅いと気づいたときの対処方法
体やメンタルにいろいろな影響を及ぼす浅い呼吸。私たちは、普段の生活の中で、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
腹式呼吸を行う
まず、呼吸が浅くなっていることに気づいたら、胸式呼吸から腹式呼吸に切り替えてみましょう。腹式呼吸は、お腹に空気を取り込むように、鼻から息を吸い、今度はお腹の空気を吐くように息を鼻から吐きます。この時、できるだけゆっくりと深く息を吐くようにすると、副交感神経が優位になるので、リラックスしてきます。また、脳にも酸素が十分に行き渡り、頭もスッキリしてきます。
自宅で行うときには、仰向けに寝て行うと行いやすくなります。体がガチガチになっている人は、お腹のあたりの腹筋がこわばっています。みぞおち辺りを緩ませることで、横隔膜の動きが良くなり、長く息を吐けるようになるそうです。体を柔軟にすることによって、深い呼吸がしやすくなります。
腹式呼吸は、浅い呼吸に気づいたときだけでなく、起床時や就寝前、お昼休みなど、定期的に行う習慣をつけると、より効果的です。日々のストレスも軽減され、いつも余裕のある状態を保つことができるようになります。
仕事の合間や、オフィスなどで行うときには、仰向けになることはできません。それでも
立ったまま、座ったままでも、できるだけ屋外や空気のきれいな所で、数分でも腹式呼吸をするだけで変化が感じられるでしょう。
リラックスしているところをイメージする
何も考えずにただ腹式呼吸をしていると、ネガティブなことが浮かんできてしまうという人がいるかもしれません。腹式呼吸を行うときに、どのようなことを考えているかも大切です。
休暇中に海のきれいなビーチで日光浴を楽しんでいる自分をイメージしたり、あたり一面を見晴らすことのできる山を縦走しているところを想像してみると、気持ちが落ち着いてきます。プラスのイメージや言葉を意識することで、ストレスも和らいでリラックスでき、深い呼吸ができるようになります。
日頃から意識することは少ない呼吸ですが、浅い呼吸をしていると、体と心にまつわるさまざまな不調につながることがあります。もし、浅い呼吸が多いな~と感じたら、深い呼吸を意識して腹式呼吸を試してみてください。