人は誰でも落ち込んだり、イライラしたり、ストレスを感じることがあります。しかし、ストレスがないからいいのかというと、そうでもありません。
不安な気持や不満がなければ努力は生まれませんし、疲れを感じなければ働き過ぎて体を壊してしまうこともあるからです。痛さ・暑さ・寒さを感じないと、体を守ることもできません。
ストレスとの上手なつきあいかたについて考えてみたいと思います。
適度なストレスは必要
「ストレス」という言葉を聞くと、多くの人がネガティブなイメージを持っているかもしれません。しかし、ストレスは必ずしもネガティブというわけではありません。私たちが生活していく上では、適度なストレスも必要なのです。なぜ、適度なストレスが必要なのでしょうか。
全くストレスがないと、意識や意欲の低下につながり、生活における刺激がない状態では 「やる気」が起きなくなります。例えば、何か目標を立てたときに、できると思っていたことができなかったり、計画どおりに進まないことがあると、ストレスを感じるかもしれません。
でも、このようなストレスが「なんとかしてやり遂げよう」「なんとか達成しよう」というモチベーションの向上につながり、目標達成につながっていきます。ストレスがない状態は、何も不安に思わない、何も心配しない、何も行動せず、常に受け身と同じ状態になってしまうのです。
人格を全否定されたわけではないことを理解する
適度にストレスが必要なことはなんとなくわかった。でも、実際に仕事で、何か注意を受けたりすると、自分の全てを否定された気分になってしまう・・・という人もいるでしょう。
でも、相手が注意したのは、どんな点だったのかをもう一度考えてみるといいでしょう。きっと、あなたの全てに対してではなく、一部の行動に対しての指摘だったのではないでしょうか。
自分の中で問題を大きくしていくのではなく、どこの点を指摘していたのかを、自分の中で整理し、理解してみてください。また、頭でわかっていても気持ちが落ち込むことがあったとしても、起きた出来事と感情は割り切って考えましょう。
落ち込みやイライラは必要なことだと考える
人が精神的に成長するプロセスでは、落ち込むことやイライラすることは必要なもので、誰にでもあることです。決してあなたがストレスを感じることは、弱いわけでも、ダメなわけではありません。
一度落ち込んでしまうと、このままずっと落ち込んだ気分でいるんだろうか・・・と考えることがあるかもしれませんが、今は落ち込んでいる時期にいることを認めつつ、そしていつまでも落ち込んだ状態は続かないと考えるようにしましょう。
また、仕事が忙しくなったり難易度が上がっている時には、落ち込んだりイライラすることがあると思います。その場合は「ここが引き際」と別の道を探したり、一旦休むか、「ここが正念場」と頑張るかを考えるといいかもしれません。
適度なストレスは、私たちが生きていく中で必要なことなのです。ストレスのない人なんていません。みんな、なにかしらのストレスを抱えながら生きています。行きている限りずっと付き合っていくものですから、ストレスと上手な付き合い方ができるように生活を見直すことが大切です。
ストレスを溜めすぎてしまうことの恐ろしさ
ストレスが溜まりやすい人というのは、競争心が強く、攻撃的でせっかちな人、真面目で何事も完ぺきにこなさないと気が済まない人、また感情をうまく表現できず、自分の感情を抑えたまま、過剰に反応しようとする人です。ストレスを増やさないためには、日頃からストレス状況をよくチェックし、付き合い方を見直していくことが大切です。
ストレスは様々な疾患を引き起こします。しかし、ストレスを受け続けると、一番多いのが自律神経失調症。自律神経が崩れ心や体が不安定になること。不安や緊張、抑うつなどの心のトラブルや、多汗、全身の倦怠感、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠などの症状があらわれます。
また、うつ状態になり、特別な疾患がないのにだるさや疲れがとれず、気力が低下したり、落ち込んだりして興味や楽しい気持ちを失い、それを自分の力で回復するのが難しい状態に陥るかもしれません。食欲の減退、睡眠障害、集中力の低下をはじめ、体の動きが鈍ったり、逆にイライラして焦る気持ちが強くなったり、疲れが激しくなるなど、心と体の双方に症状があらわれます。
このようなストレスを解消する方法は、人によってさまざまです。家でゆっくりストレス解消ができれば、一番よいかもしれませんが、なかなか時間がとれないなら職場でストレスを感じたときに、早めに気持ちを切り替えて、上手にストレスとつきあっていくようにしましょう。