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ビットコインをつかう前に気をつけたい仮想通貨のリスク

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ビットコインのリスク

順調に規模を拡大してきたビットコインですが、その一方で、知っておくべきリスクがあります。次のようなリスクが考えられます。1つずつ見ていきましょう。

【ビットコインのリスク】
・変動リスク
・信頼リスク
・取引所リスク
・管理リスク

変動リスク

まず、ビットコイン自体の価格変動がかなり大きいという点が挙げられます。他のドル円、ユーロ円と比較しても価格変動は大きいと言われ、1日で数十万円変動することもよくあります。このような状況を見て、通貨として安心して使用できないという声があります。

ビットコイン自体への信頼リスク

次に、考えておきたい点は、ビットコイン自体が信頼されなくなるリスクがあるという点です。現在、ビットコインは処理能力の問題なども抱えており、将来的には別の仮想通貨が台頭するのではないかと言われています。そうなれば、ビットコインの価値が著しく下落することが考えられます。マウントゴックス事件については、後ほど説明します。

取引所リスク

また、取引所にハッキングや不具合などが起こる可能性もゼロではありません。ビットコイン取引所は複数あり、気軽に購入できるようになりました。通常購入したビットコインは、取引所の口座で保管されます。この場合、ビットコインのシステム自体は正常でも、ビットコイン取引所のハッキング等によりビットコインが流出する恐れがあります。

管理リスク

ビットコインを自分のウォレット(ビットコインを保管するためのパソコンやスマートフォンで利用するアプリ)に移した場合、その後ウォレットへのハッキング等により、ビットコインが流出するリスクもあります。また、ウォレットのパスワードを忘れると二度と復元することができません。スマートフォンをなくしたり買い替えたりしたときに、パスワードや秘密鍵を紛失し、復元できなかったと言う人も実際にいます。管理には最新の注意を払う必要があります。

マウントゴックス事件とは

マウントゴックス事件とは、ビットコイン史上最大の事件と言われています。マウントゴックスとは日本に拠点を置く、当時世界最大のビットコイン取引所で、当時世界の約70%の取引シェアを占めていました。このマウントゴックスで、一般顧客から預かったビットコインの99%が内部の不正操作で消失したという事件が起きました。

被害総額は当時のレートで約500億円とされ、日本でも多くのメディアで取り上げられました。それが原因でマウントゴックスは2014年経営破綻しました。この事件により、日本国内でのビットコインのイメージダウンは大きなものでした。もともと仮想通貨に懐疑的だった人々は、ビットコインは終わったとか、投資詐欺だと、ビットコインそのものへの批判を声高に唱えました。

しかし、この事件の本質は、ビットコインを預かっていた取引所の1つが破綻したということであり、ビットコインのシステム自体に問題があったというわけではありません。今もビットコインのシステムが全く影響を受けずに稼働し続けていることからも、それは明らかです。

例えるなら、銀行が不祥事などで潰れたとしても、日本円の価値や仕組み自体には何も影響がないという状況と似ています。もちろん同じ轍を踏まないためにも、取引を行うビットコイン取引所をどこにするかという選択がとても重要なのは言うまでもありません。

取引所がハッキングされたビットフィネックス事件

マウントゴックス事件が発生したことによって、一時はビットコイン自体の信用も失いかけました。しかし、その後は取引所リスクとビットコインそのものの安全性は無関係であるということが認知され、再び価格は上昇傾向となりました。

そんな中、再びビットコイン業界を騒がせる事件が起こりました。これがビッドフィネックス事件です。ビットフィネックスとは香港にある世界最大級のビットコイン取引所です。2016年8月に、この取引所が外部からのハッキング攻撃を受け、約12万BTCのビットコインが盗まれたことを発表しました。この事件によって、再びビットコイン相場は大きく崩れました。

この事件とマウントゴックス事件との違いは、マウントゴックス事件は内部犯行による流失だったと言われているのに対し、ビットフィネックス事件は外部からのハッキングによる可能性が高いと言うことです。ビットフェニックスは、2015年5月にもハッキングの被害にあっていました。このように大手の取引所でも、常にビットコイン流出の危険性があるという事は念頭に置いておくことが重要です。

日本では大手取引所bitFlyer(ビットフライヤー)が三井住友海上火災保険と組み、仮想通貨が盗難、消失した場合の損失を補償する保険販売を発表するなど、事件を教訓にする動きが加速しています。また、法整備が進み、ビットコイン投資家の保護が進んでいます。

詐欺コイン

ブロックチェーンの技術を謳ったコイン詐欺が増えています。コイン詐欺とは、ビットコインの成功例をあげ、新しい仮想通貨を紹介しその投資を進めるものです。現在多くの仮想通貨が乱立していますが、ほとんど価値を持たないコインを売りつけようとする会社なども存在します。このような仮想通貨に引っかからないためのポイントを見ていきましょう。

まず、管理者が存在する仮想通貨は怪しいと思った方がよいでしょう。最近、Ripple(リップル)等の管理者が存在するコインが市民権を得るという例外的なケースもありますが、ビットコインは管理者が存在しないからこそ、既存の金融システムに依存しないフラットな通貨として注目を集めました。
しかし、本来管理者が存在する仮想通貨は、ビットコインの趣旨と異なるものと考えたほうがよいでしょう。これらの多くは運営会社が存在し、そこが仮想通貨を発行するため、供給量などもコントロールできてしまうためです。また、取引所リスクと仮想通貨自体の信用リスクが直結するため、運営会社が破綻すればその仮想通貨も同じ運命をたどることになります。結局、これらの仮想通貨で儲けるのは、供給量をコントロールできる運営会社だけになってしまいます。
また、価値の上昇をやたらと煽る仮想通貨も怪しいと思った方がよいでしょう。特に、「ビットコインはもうこれ以上値上がりしない。自分たちの仮想通貨はこれから数年で数百倍に値上がりする可能性がある」等はコイン詐欺の常套句になっています。

仮想通貨の法整備

2017年4月1日、仮想通貨(改正資金決済法)が施行され、世界で初めて仮想通貨に関する法律が制定されました。これにより、ビットコイン事業者は登録の準備、さらには自主規制団体の認定をうける準備を進めることになりました。この法律によって、仮想通貨は日本の法体系に位置づけられたことになり、仮想通貨業界にとって大きな1歩となります。

具体的にビットコインを取り巻く環境は、変化してきました。まず、ビットコイン取引所が登録制になり、財務局に登録を行なう必要がでてきました。取引所が登録を行うには、ある一定の財産的基礎を持つこと、金融業者としてコンプライアンスのための組織を持つこと、さらには法人や役員の欠格要件がないことなどが求められます。

加えて、システムのセキュリティを維持するための強固な体制も必要となります。さらに、顧客の資産を自己の資産と分別管理して、その状況につき毎年監査法人などの監査を受けることが求められます。一方、会計基準や税制については、まだ発展途上です。ビットコインを購入する際は、消費税が非課税になるなど動きはあるものの、現行の日本の会計基準・税制では仮想通貨の取り扱いをカバーしきれていない点も多くあります。

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